治療院・サロン経営者として、スタッフと信頼関係を築いていくことは生産性をあげる上でも重要な要素です。
またスタッフの成長のために、日々の取り組みを振り返り、必要があれば改善していくことも大切ですよね。
今回は経営者とスタッフ間の信頼関係を構築していくための、1対1面談の重要性と、振り返りのためのフレームワークKPT(ケプト)について解説します。
●なぜ1対1面談なのか
信頼関係の構築
1対1面談を行うことで、スタッフをより深く理解することができます。
スタッフも経営者の考え方や店舗の方針への理解度が深まり、お互いの信頼関係を構築できます。
信頼関係があればスタッフに任せられ、スタッフも自立し連携ができるようになります。
生産性の向上
信頼関係は生産性の向上にもつながります。
たとえば、スタッフ一人ひとりモチベーションがあがれば、これまで10だった成果が20にも30にもなります。
反対にモチベーションが下がっていくことで5や1にもなってしまいます。
スタッフにとっても、自分自身の成長のための機会が得られるともいえます。
●KPTとは?振り返りのフレームワーク
1対1面談では日々取り組んできたことへの振り返りを行います。
振り返りのフレームワークにKPT(ケーピーティー、またはケプト)があります。
- Keep・・・続けること、良かったこと
- Problem・・・問題点、抱えている課題
- Try・・・次にトライしたいこと
スタッフと一緒に、K → P → T の順番で取り組みを振り返っていきます。
1.Keep(良かったこと)
まずはKeepから。良かった取り組みをスタッフに伝えます。
これは単純に「ほめる」のではなく「取り組んでよかった」ことです。
「感情」ではなく、取り組んで良かったことをKeepしていく(続けていく)点にフォーカスします。
2.Problem(問題点)
次にProblem。問題点、やったけどうまくいかなかったことを振り返ります。
ここでは単に仕事の進捗を聞くのではなくやったけどうまくいかなかったことに焦点をあてます。
3.Try(次にトライしたいこと)
最後のTryはKeepやProblemを踏まえての解決策や新しいアイデアをあげていきます。
決して「頑張ります」や「今度は注意します」という感情の話ではありません。
●1対1面談のポイント
1対1面談では、KPTにもとに対話をしていきますが、そのときのポイントをみていきましょう。
振り返るを行う頻度は?
こういった振り返りをスタートする際、どれくらいの頻度でやっていくかを検討する必要があります。
おすすめは2週間ごとに、40分〜60分の1対1面談をすることです。
頻度が高いと思われる方もいるかもしれません。
しかし、3ヵ月ごとに実施した場合、言い方をかえると改善の機会は3ヵ月に1度になるともいえます。
しかし2週間ごとにすれば、改善サイクルを高速でまわすことができます。
さらに頻度をあげることで、スタッフのことをより多く知ることができます。
これはスタッフ側にもいえることで、経営者の考え方や店舗の方針への理解度があがります。
理解度があがると自立した行動を取ることができ、それが生産性の向上にもつながります。
メモを共有する
対話の中で上がったことは、お互いの認識をあわせるため、メモを共有します。
自分しか見ないメモの場合、スタッフとしては「いや、そういう意味ではないんだけどな」と感じてしまうかもしれません。
Kはなにか、Pはなにかと、経営者が書いたメモを共有することで認識のズレを解消し、Tでは「次にトライすること」へのズレをなくすこともできます。
次の1対1面談のときに、出発地点をあわせることもできますね。
心理的安全性を高める
Googleのリサーチチームが発見した事実として、心理的安全性の高いチームのメンバーは生産性が高くなります。
出典 :「効果的なチームとは何か」を知る
1対1面談においても、心理的安全性が担保してあげることが大切です。スタッフが本音を言える環境を整えることです。
その方法としては、スタッフからの意見・指摘に対して、経営者としてまずはその意見・指摘を受け止めることです。
仮にその指摘が間違っていたとしてもまずは受け止める。そうすることでスタッフに「本音を言っても良い」環境を整えます。
それによって心理的安全性が高まります。
視点を返れば、経営者は常にスタッフが言った発言が本音なのか建前なのかに注視することです。
●まとめ
チームで仕事をするためにはお互いのことをよく知ることが大切ですよね。
KPTフレームワークを使い、1対1面談を行っていくことで信頼関係が構築していくことができます。
スタッフとの認識のズレをなくし、成長する機会を多く持つことで、スタッフが自立した存在となり生産性は向上していきます。
1対1面談とKPT、トライしてみてはいかがでしょうか。