E-A-Tという言葉をご存知でしょうか。
実は治療院 × SEOにおいてE-A-Tは避けて通れない概念です。
治療院ウェブサイトを運営していく上で、ぜひ知っておいてほしい内容です。
少し長い文章ですが一度ご覧になってみてください。それではいきましょう!
●E-A-Tとはなにか?
まずはE-A-Tとはなにかについてです。
E-A-TとはGoogle検索品質評価ガイドラインで定義されているページ評価の項目の1つです。

- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
これらの頭文字を取ったGoogleの言葉です。
端的にいえばGoogleがウェブサイトを評価する上で重要視すること、それがE-A-Tなのです。
では、このE-A-Tが治療院とどのように関係していくのかみていきましょう。
●治療院 × SEO には重要な指標
治療院とSEOの文脈においてE-A-Tは非常に重要な指標です。
なぜならE-A-TはYMYL分野のサイトでより重要視されるからです。
・・・「YMYL」というまた新しい言葉が登場してしまいましたね。
実はこのYMYLも治療院ウェブサイトを運営していく上で、知っておく必要のある事柄なのです。
YMYLとは「Your Money or Your Life」の頭文字を取ったもので、Google検索品質評価ガイドラインで定義されている項目のひとつです。

Your Money or Your Life ー これはお金や生活。私たちが経済的・身体的に健康な生活を送るために大きな影響を与える可能性があるページのことです。
このYMYLに関する内容は、信頼されているサイト(Trustworthiness)であり、そこで展開されている内容も、専門性(Expertise)と権威性(Authoritativeness)があるべきという見解なのです。
つまり、体の健康に影響を与える可能性がある医学や健康に関する情報を提供しているYMYLに該当するウェブサイトにとって、E-A-Tは重要な指標となります。
これが治療院 × SEOにおいて、E-A-Tが重要な理由です。
●他の業種でE-A-Tを考察
E-A-Tについて、他の業種の例にもう少し考えてみましょう。
たとえば法律。法律に関するウェブサイトもE-A-Tが重要視される業種です。
法律のアドバイスをするウェブサイトがあったとします。
もしこのウェブサイトが信頼性も専門性もなかったらどうでしょうか。
法律についていい加減な情報を発信。それを読んで鵜呑みにしたユーザーが実際に行動を起こしてしまったらどうなるか。
きっとこのユーザーの人生にネガティブな影響を与えてしまうでしょう。
Googleは自らの検索結果ページに、このような信頼性も専門性もないサイトを検索結果ページで上位表示するわけにはいかないのです。
すべてのサイトにE-A-Tが必要なわけでありません。個人の旅行体験をテーマにしたサイトにはエンターテイメント性は必要ですが、専門性や権威は必要ありません。YMYLに関するウェブサイトに必要なことなのです。
●E-A-Tは「概念」
E-A-Tはあくまで概念です。
たとえば「ページの表示速度」はSEO評価ポイントとして具体的な評価となります。「ページの表示速度は早い方が良い」からです。
評価をあげたければ、技術的に改善を加えスピードを早くしてあげれば良いのです。わかりやすいですよね。
一方、E-A-Tはあくまで概念です。「この部分をこう変えたら評価があがる」という類いのものではありません。
少なからずGoogle公式ガイドラインにはそのような記載はありません。
何か1つを改善すれば良いというわけではなく、全体として「ユーザーにとって信頼のおける専門性、権威性があるサイトに改善していく」ということになります。
●E-A-Tを高めるとは
では治療院ウェブサイトとして、E-A-Tを高めるとはどのようなことでしょうか。
高評価レビューを得ること、価値があるサイトとのリンク、サイテーションを得ること。また、ウェブサイト著者・監修者が明確であり、権威があることが表現されていることなどはE-A-Tを高めているといえますよね。
先ほどの法律のウェブサイトを例にして再びみていきましょう。
●真の専門家であるとは?
法律に関するアドバイスとしてAという結論を提示されたとします。
このAという結論が正しいのかどうか。専門家でないと判断できません。
ではAへの信憑性を私たちユーザーはどのように判断するでしょうか。
ひとつは「誰」が発信した情報かですよね。
- 誰が発信したかわからない「匿名さん」
- 弁護士資格をもった専門家「田中太郎さん」。そのウェブサイトには田中太郎さんの経歴もこれまでの活動も明確に記載されています。
この場合いうまでもなく後者の「田中太郎さん」の発信した情報に信頼性を感じますよね。
さらに、他のウェブサイトにも「田中太郎さん」について言及されている。評価も高い。○○弁護士協会のウェブサイトへのリンクもあり、そこで「田中太郎さん」は理事もつとめていることが判明・・・などなど。
このように情報が開示されていることで、私たちは「匿名さん」よりも「田中太郎さん」へ信頼を置くことができるのです。
●ユーザー体験としてもE-A-Tは重要
先ほどお伝えした通り、E-A-Tは概念であり「○○すれば専門性が高まる」という単純なものではありません。
ユーザーにとって「専門性とはなにか?」「信頼性できる状態とは?」と自ら問い、改善していくものです。
今回の記事では、E-A-TをSEOという文脈でご紹介しました。
しかし、本質的には、SEOという切り口ではなく、治療院ウェブサイトを訪れたユーザー体験の質を高める上でも同じことがいえます。信頼できる治療院で施術を受けたいですものね。(そもそもGoogleはSEOのためのコンテンツ作りを否定していますが。)
●参考:E-A-T調査
最後に参考として、E-A-Tに関する調査結果をまとめたレポート「What Does It Mean to Have Good E-A-T? | Path Interactive」(英文)をご紹介します。

出典:What Does It Mean to Have Good E-A-T? | Path Interactive
上記のレポートからいくつか調査結果をご紹介します。
あくまでも「調査結果」です。因果関係があるわけではありません。
それでは参考までに。
- 2017年3月のGoogleアップデートで表示順位が下がったサイトの特徴「内容が薄い」「やり過ぎた収益化(広告過多)」「ウェブサイトのユーザー体験が悪い(見にくい、使いにくい、表示が遅い等)」
- 著者を紹介しているサイトが、紹介していないサイトより評価を受けやすい。Winning sitesはLosing sitesより著者紹介率が16%高い。
- 著者紹介よりもさらに高評価を得たのは、本当の専門家が書いているサイトだった。Winning sitesは本当の専門家が書いている率が258%高い。ただし「本当の」定義は不明。
- Losing sitesは、YMYLのコンテンツにアフィリエイトを設置している率が117 %高い。やり過ぎた収益化に該当か。
- Winning sitesは、授与した賞や称賛を明確に掲載している率が 850 % 高い。信頼性を高めたか。
- Winning sitesは、コンテンツ外にリンクしている率が24%高い。健康に関する何かを証明するとき外部の論文や研究などエビデンスに基づいたコンテンツであることの証明になるのか。
- Losing sitesは、YMYLページに「ユーザー生成コンテンツ」を含めている率が94%高かった。「ユーザー生成コンテンツ」とはユーザーが投稿したレビューやコメントのことです。つまり、YMYLページにユーザー個人の感想や主観があることで誤解を与える可能性があるということか。
What Does It Mean to Have Good E-A-T? | Path Interactiveより出典。(からだケアプラス編集部翻訳)
繰り返しますが、あくまで調査結果です。
Winning sitesのしたことをすれば上位表示されるわけでも、Losing sitesと同じことをすると表示順位が下がることが確定しているわけではありません。
治療院ウェブサイトを訪れたユーザーが専門性を感じ、安心感を得るにはどうすれば良いかという視点で考えることが重要です。
●まとめ
E-A-Tについていかがでしたでしょうか。
治療院 × SEOにおいてE-A-Tは重要な要素です。
まだ取り組む前でしたら、ご自身の治療院ウェブサイトに少しずつ取り入れてみてくださいね。