モノがあふれる現代において、モノの性能や品質で勝負することは難しくなりました。なぜなら多くの商品はすでに合格点の品質を兼ね備えているからです。
たとえばカメラ、カメラをこれ以上の高画質にしたところで、私たちの気持ちは動きませんよね。
単に品質を良くしたモノではなく、モノを通じたお客さんのコト(体験)の質をあげる必要があります。
これはあらゆる産業に影響することです。治療院・サロン業界も例外ではありません。私たち消費者の行動や気持ちが時代とともに変化していっているからです。
今回はご自身に治療院やサロンにおいてコトとは何か?を考えていくにあたり「モノからコトへ」について理解を深めていきましょう。
●エアロバイクの販売をし、コト(体験)を提供する

こちらはアメリカでエアロバイクの販売を通じて、体験を提供しているPeloton(ペロトン)という会社です。
まだ日本は上陸していませんが、アメリカで多くの注目を集めています。
単にエアロバイクを販売するのではなく、エアロバイクの販売を通じた体験を提供しています。
具体的には月額料金を支払うと、オンラインでインストラクターとエクササイズができます。さらにライブでのエクササイズでは、他の人ともオンライン上で順位を競うこともできる仕組みがあります。
●リアル店舗や配送も
Peloton(ペロトン)はそのユニークな世界観を感じてもらうために、リアル店舗も20店舗以上持っています。そうAppleもその世界観を直接感じてもらうためにApple Storeがたくさんありますよね、それと同じです。
また、Pelotonは徹底していて、エアロバイクを購入したお客さんのところに配送する際も、他の配送業者に委託するのではなく、自社ブランドで実施しています。
そうエアロバイクのセットアップもPelotonのスタッフが行っているのです。
この配送を通じて、お客さんとスタッフが出会い、会話することで、Pelotonの楽しみ方を直接伝えることができるのです。
まさにエアロバイクを販売するのが目的ではなく、楽しく健康的な体験してもらうための手段としてエアロバイクを販売しているといえます。
●モノからコトのその他の例
このようにモノを販売するのではなく、その先にある体験を提供する。その手段としてモノという位置づけです。
中国の「平安保険」は保険の販売ではなく、その先にある「健康的な生活」を提供するため「遠隔医療のサービス」や「ドクターの口コミ予約サイト」などを展開しています。
アメリカのAwayは単にスーツケースの販売ではなく、Awayが提供する旅の世界観を販売しています。そのためメルマガや雑誌等も展開し、その世界観を発信し続けています。
コト(体験)はそのブランドでしか味わえないものと言い換えることができます。モノで差別化が難しくなった現代だからこそ、ユニークな体験を私たちは求めているのです。
●まとめ
今後すべての産業でモノからコト(体験)へとますますシフトしていくでしょう。
治療院・サロンにおけるコトとは何か?あなたの治療院・サロンでしか味わえないユニークな体験とは何か?この問いを考えていくことがとても重要になってきますね。