2019年6月27日「LINE CONFERENCE 2019」が開催されました。
この中でLINEは「オンラインとオフラインが融合したOMOの概念によってLife on LINEの実現を目指します」と発表しました。
このOMOという概念はLINEに限らず、あらゆる業種にあてはまることであり、もちろん治療院・サロン経営も例外ではありません。
そこで今回はそもそもOMOとは何かについて一緒にみていきましょう!
●OMOとは
OMOはOnline Merges with Offlineのことです。直訳するとオンラインとオフラインの融合です。境界線がなくなり溶け合うという概念です。

ただオンラインを起点と捉えるため、オンラインがオフラインを飲み込むと言い換えても良いでしょう。
常にオンライン接続
治療院・サロン経営からいったん離れて、イチ消費者として普段どのように生活しているか振り返ってみてください。
私たちは常にスマホを持ち、スマホで検索したり、ニュースをみたり、動画や音楽を楽しんだり、SNSを開いたり、LINEでコミュニケーションをとったり、とにかく常にオンラインに接続している状態ですよね。
より便利な方を選択する
そんな中、たとえばトイレットペーパーを買うとします。オンラインだとクリックひとつで2時間に届くとします。便利ですよね。でも家から徒歩1分のコンビニにトイレットペーパーが売っていたらどうしますか?
この場合、オンラインで注文すれば2時間で届くとしても、徒歩1分にあるオンラインの実店舗の方が便利ですよね。
逆に、家でやるべきことがあり、買いたいものがお米、2リットルのペットボトル1ケースであれば「ちょうどやることもあるし、重たいし大変だから」と、オンラインで注文する可能性が高くなります。
つまり、オンライン/オフラインはどっちでも良く、単純にお客さんは自分にとってより便利な方を選択するのです。
●オフラインは深い接点
常にオンライン接続しているため、その行動データ(LINEでいうとコミュニケーションをとったり、ニュースをみたり)を集めることができます。
また、オフライン(店舗)での接点は、お客さんとの深いコミュニケーションの場と捉えられます。このお客さんとの深い接点のデータは非常に重要な要素となります。
オンラインの行動データ × オフラインの接点からのデータ。これらを集めていったい何をするのでしょうか?
それは単にお客さんの要望を先回りして最適な提案をしたり、効率的な広告を配布したりするだけではありません。
もっとも大切なことは、サービスや店舗の体験そのものをどんどん改善していくことです。

●オンとオフの境界線はなくなる
先ほど「単純にお客さんは自分にとってより便利な方を選択する」とお伝えしました。
お客さんにとって有益であるなら、オンラインを中心とした企業もオフラインに進出します。逆に、店舗などのオフラインを中心とした企業もWebサービスやアプリをはじめていくでしょう。
OMOはオンラインとオフラインの境界線がない考え方だからです。
大切なのはオンラインもオフラインも、きちんとデータを収集し蓄積していくことです。そして、そのデータをもとにより良いサービスにつなげていきます。
日々の接点がないサービスの場合
オフラインを中心とした企業、たとえばショッピングセンターや飲食店などは店舗での深い接点がある一方、日々接する機会がありません。
そのため、ショッピングセンターであればウェブ上でお買い物をできるようにしたり、飲食店であればアプリひとつで食事をデリバリーするようなサービスをはじめ、お客さんとの接点を増やしています。
●治療院・サロン経営として
では、治療院・サロン経営としてできることはなんでしょうか。
大型ショッピングセンターや大手飲食チェーン店のように、独自にウェブサービスを立ち上げるのは現実的ではないと思います。
しかし、店舗での深い接点は非常に重要な情報であるといえます。また、店舗や治療院・サロンホームページを通じたお客さんの行動データは集めることができます。
例えば予約回数や利用頻度、住んでいるエリアをはじめ、よく利用する時間帯や曜日などもわかります。データを蓄積することで、リピートする人としない人の違いも見えてきます。
施術を通じたコミュニケーションからは、どのようなライフスタイルを送っている人なのかもわかってきますね。
さらに、お客さんの悩みの向こう側にある本質をつかむことで、同じような悩みを持った人たちにも、改善案とともアプローチできます。
これらの情報をもとに利用当日の体験だけでなく、利用前、利用後、リピート利用、すべての体験をどんどん改善していきます。
●まとめ
OMO、いかがだったでしょうか。
オンラインとオフラインが融合したOMOのベースとなる考え方は、徹底した顧客視点です。
間違っても、データ収集し分析した結果をもとにより高いものを買ってもらおうという考えではありません。情報革命が起こったいまではそのような操作主義はわかってしまいます。詳細は情報革命で何が起こったのか?をご覧ください。
あくまでお客さんの体験をより良くしていくためのデータ収集・分析です。
今後はこの「データ収集・分析 → 店舗体験の改善」の流れをより早く積み重ねていく店舗が、たくさんの支持を集めることになるでしょう。
こうしてみていくと、OMOとはまわりまわって考えると、より深くお客さんのことを考え、日々改善していくことが重要であるというシンプルな原理ともいえますね。