メールマーケティングとはなんでしょうか。ひと言でいえばメールを既存顧客に送ることです。そのメールにより予約を促したり、お客様と治療院・サロンの関係を構築したりします。
また、ハガキや封書とは異なり、Eメールを利用するため経済的コストをかけることなく実行できます。
今回は「メールマーケティング入門編」と題して、メールマーケティングについて解説します。
●売上をあげる方法は4つ
メールマーケティングの前に、売上をあげる方法についてみていきましょう。
売上をあげる方法を集約すれば以下の4つに分類されます。
- 新規顧客を増やす
- 既存顧客が離れていくのを減らす
- 既存顧客の来店回数を増やす
- メニュー単価をあげる
この中で1以外すべてにメールマーケティングは寄与します。
正確には1もメルマガのような形で、有益な情報を発信していくことで、新規顧客の獲得へとつなげることもできますが、今回は既存顧客にしぼってみていきましょう。
●個人の状況に適したメール
メールマーケティングを実行する際には、すべての顧客に同じメッセージを送るような一斉メールではなく、個人個人の状況に応じたメッセージを送ることでより効果を発揮します。
個人個人の状況について掘り下げるため、ここではRFM分析を使ってみましょう。
RFM分析の「R」「F」「M」とはそれぞれ、Recency(リセンシー)は最近来院した日、Frequency(フリークエンシー)は来院する頻度、Monetary (マネタリー)はお支払い頂いた金額となります。
Recency(リセンシー)
ある顧客が最後に来院した日です。最近来院した顧客の方が、数年前に来院した顧客よりも、良い顧客であるとと考えるものです。
来院してから時間があまり経過していない場合は、治療院・サロンの記憶が残っているともいえるため、メールマーケティングが効果的に働くことが期待できます。
Frequency(フリークエンシー)
来院する頻度が高い、何度も通ってくださった方ほど、よい顧客であると定義します。
このときの頻度による尺度は、業種により異なります。スーパーであれば「日」でしょうし、家電量販店であれば「数年」が単位となるでしょう。
Frequencyが低い顧客は施術内容や料金に不満がある可能性があります。Frequencyが高い顧客が多い場合は、リピーターが多いといえます。
Monetary (マネタリー)
Monetaryは顧客があなたの治療院・サロンに使ってくれた金額です。Monetaryが高い方がより良い顧客となります。
Monetaryが高いということは潜在的な売上が高いともいえます。
●RFMから顧客を読み解く
RFM分析から顧客の状況を読み解いてみましょう
- Recencyが低ければ、FrequencyやMonetaryが高くても、他の治療院・サロンに通っている可能性が高いといえます。
- 同様に、Frequencyが下がっている顧客も他の治療院・サロンに通っている可能性が高いです。
- Recencyが同じならFrequencyが高いほどリピーター(常連顧客)です。
- RecencyやFrequencyが高くてもMonetaryが少ない顧客は購買力が低いといえます。
- RFMすべてが高い顧客に割引施策は不要。特別感が味わえるようなプレゼントがより良いといえる。
このようにRFM分析により顧客を定量的にセグメント分けし、最適なメールマーケティングを考えていきます。
●セグメント分け
それでは実際に既存顧客をいくつかに分類して考えていきます。
※今回は新規顧客は検討外としています。
1度だけの利用者
1度だけ来院した人です。この人にもう1度来院してもらうための施策です。
新規顧客の獲得コストは高いので、ある種、休眠顧客ともいえるこの層にアプローチします。
何か不満がある顧客
以前熱心な顧客だったけれど、ある時点から来院をやめてしまった人たちです。
このように顧客が離れてしまった場合、何もしなければ来院されない可能性が高いため、メールマーケティングによるオファーは大きな意味があります。
ただし、こうしたセグメント向けのメールは十分に目を引くオファー(大幅な割引)などが必要になる可能性が高いです。
常連さん
あなたの治療院・サロンを何度も通ってくれている人たちです。
先ほどの「1度だけ利用者」や「何か不満がある顧客」のような割引を必要としません。
あなたがこの人たちを大切に思っていることを伝え、特別なロイヤルティメニューをオファーしましょう。
いち顧客として
上記の分類とは別に、いち顧客ごとにメッセージすることで、非常に喜んでもらえるメールとなるでしょう。
いち顧客ごとにメールメッセージを考えることになるため、時間的なコストはかかりますが、OMO時代には必要な概念ともいえます。
※ OMOとは何かについてはこちらのLINEが発表した「OMO」とは何か?|治療院・サロンの未来を考えるをご確認ください。
●まとめ
メールマーケティングの良いところは経済的なコストがかからない点です。
しかも普段使っている「メール」を利用するため、取り組み自体の学習コストもかかりません。新しいオファーやメッセージはすぐに始めることができます。
すぐにはじめられるということは、改良もすぐにできるともいえますね。